TOKYO大樹法律事務所

コラム

HPVワクチン薬害訴訟提訴・第一回期日のお知らせ

弁護士 安孫子 理良

 平成28年7月27日、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の接種により、深刻な副反応被害を受けた63名の被害者が、国及び製薬会社(グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社)に対して、損害賠償請求を東京、名古屋、大阪及び福岡の各地裁に提訴しました。
 私は、東京訴訟(第一次原告28名)の弁護団員として、主に医学的知見の検討の分野で、この裁判に関わっています。
 HPVワクチンは、子宮頸がんそのものを予防する効果は証明されていません。一方で、その接種により重篤な副反応(免疫系の異常による神経障害等)が多数報告されています。
 そもそも子宮頸がんは、原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV)に感染しても発症に至る確率は極めて低く、また、子宮頸がん検診によって、がんになる前の病変を発見し、負担の少ない治療で予防できる疾病です。それにもかかわらず、有効性にも安全性にも問題のあるHPVワクチンの製造販売が承認されました。国は、平成22年11月から、緊急促進事業により公費を助成し、平成25年4月からは定期接種の対象とし、接種勧奨を行い、その結果、300万人を越える中学生・高校生に接種されました。その後、深刻な副反応が相次いだことから、定期接種化のわずか3ヵ月後である平成25年6月より接種の積極勧奨が一時中止され、現在に至ります。
 HPVワクチンによる副反応はとても深刻で、全身の疼痛、知覚障害、運動障害、記憶障害など多岐にわたります。ハンマーで殴られるような激しい頭痛や不随意運動、突然の脱力、不眠・過眠、簡単な計算すらできなくなる知的障害など症状は非常に多様かつ深刻です。原告の少女たちの多くは、学校に通うことや進学が難しくなり、この副反応により人生を狂わされ、苦しんでいます。日々、医療者による研究が進んでいますが、未だ治療法も確立されておらず、将来に対する不安は計り知れないものです。
 この裁判を通じて、被害者が将来にわたって、医療や社会全般にわたって安心して生きていけるようにするとともに、真相を解明し、同様の被害を繰り返さないようにしていきたいと考えています。訴訟により国と企業の法的責任を明確化し、それを基盤に真の救済と再発防止を実現していきたいと思います。
 いよいよ、東京訴訟の第1回期日が2月13日15時と決まり、裁判が本格化します。ご支援よろしくお願いします。
(2017年1月)