TOKYO大樹法律事務所

コラム

任意後見契約を知っていますか

弁護士 木 下   泉

 近頃、身寄りのないお年寄りから、自分が財産を管理できなくなったときにどうすれば良いかと相談をされることが増えてきました。また、親族に成年後見が開始されると見ず知らずの人が後見人になって、家族の意向が無視されたと不満の声を聞くことがあります。これは法定後見のことですが、任意後見という制度も用意されています。任意後見契約はご本人がお元気なうちに信頼する方との間で公証人役場で任意後見契約を締結し、将来、ご本人の事理弁識能力が不十分になった際に信頼する方に任意後見人になってもらうという契約です。任意後見人にはご本人の生活や療養看護、及び財産の管理等必要と考える範囲で代理権を与え、報酬を契約で決めることができるので、安心です。任意後見契約を発動するにはご本人の事理弁識能力が不十分になった際に、家庭裁判所に任意後見監督人の選任をしてもらう必要があります。そして、任意後見監督人は任意後見人の後見事務について監督を行いますので、安心して任せることができます。公証人役場で締結することから、公正証書遺言の作成と併せて任意後見契約を締結することも多くあります。将来の安心を確保しておくために有用な制度です。

(2018年2月)